記事: 豆のまま? 挽いてもらう?

豆のまま? 挽いてもらう?
オーナーは「粉でも大丈夫」、現場チーフは「できればミルを」
お話を聞いた人:金山広美(REPOS COFFEE オーナー)、金山祐紹(REPOS COFFEE 現場チーフ)
コーヒー豆を買うとき、「豆のままにしますか、お挽きしますか」と聞かれます。
この質問、実は初めての方ほど戸惑うところではないでしょうか。
こだわるなら豆のまま、手間を省きたいなら粉。
なんとなくそんなイメージがありますが、実際のところはどうなのか。
REPOS COFFEEのオーナー・金山広美と、コーヒーの勉強を重ねてきた現場チーフ・金山祐紹に聞きました。
分かれ目は「こだわり」ではありません
── 豆のままと粉、選ばれるのはどちらが多いのでしょう。
オーナー:粉のほうが多いと思いますね。
以前、店頭に立っていたときも「粉にしてもらえるんですか?」とよく聞かれました。もちろん、お受けしています。
── 分かれ目はどこにあるんでしょう。
オーナー:だいたい、ミルをお持ちかどうかですね。
お持ちでない方が「粉にしてください」とおっしゃいます。
以前、女性ばかりのマルシェに出たときは、大半の方が粉をご希望でした。
── こだわりの差ではないんですね。
オーナー:実は私も、家ではミルでゴリゴリしません。
買うときに、お店で粉にしておいてもらいます。時間に追われることもありますから。
コーヒーは生活の一部ですので、そこは無理をしなくていいと思っています。
それでも、挽きたてがいい理由
── 現場チーフは、どう考えていますか。
現場チーフ:おいしさを考えるなら、ミルはあったほうがいいです。
粉にすると、すぐに劣化してしまうので。
本当においしく飲めるのは、挽いてから3日くらいだと思います。
── そんなに早いんですね。
オーナー:挽いた瞬間から、表面積が一気に増えますからね。
コーヒー豆には豆それぞれの油があって、それが酸化していくんです。
湿気も吸いやすくなります。飲む直前に挽けば、香りも味もそのまま楽しめます。
── 淹れ方でコツはありますか。
オーナー:お湯の温度でしょうか。100度で淹れてしまうと、香りが飛んでしまうんです。匂いもしなくなる。
90度くらいにしていただくと、すごくいい香りが立ちます。
── そこまで気を配るのは、少し難しそうです。
オーナー:私も忙しいときは、本当に「しゃしゃしゃっ」と淹れてそのまま飲んでしまいます。
しっかり向き合って飲む日と、生活の中で慌ただしく飲む日と、両方あっていいと思うんです。
そういうときは、豆に助けてもらっている感覚ですね。
いい豆なら、素人がどんな淹れ方をしても割とおいしいんですよ。
ミルは、安いものでもそろえてほしい
── ミルで挽くと、手間はどれくらい変わるものですか。
オーナー:ミルにもよりますが、私が持っている小さめのものだと、一度に100gくらい挽けます。ただ、粉が飛び散るんですね。
ですのでミル自体をきれいに掃除しないといけない。
簡単に挽けるタイプでも、一応お掃除は必要です。そこを面倒に感じられる方は多いと思います。
── それでも、ミルはあったほうがいいのでしょうか。
現場チーフ:はい。安いものでいいので、できればミルとキャニスター(保存容器)は買ってほしいですね。
オーナー:淹れるのは、コーヒーメーカーでも十分においしいですよ。
むしろ、私みたいに適当に淹れるより、コーヒーメーカーのほうがちゃんと量って抽出してくれますから。
専門用語は、知らなくて大丈夫です
── 専門店で豆を買うのは、少しハードルが高く感じる方もいそうです。
オーナー:専門店というと、豆を買うのはハードルが高い、値段も高いと思われがちなんですけど。
コンビニのコーヒーも今は150円くらいですよね。
それを考えたら、本当においしいお豆をご自分の好みで買っていただくのも、いいんじゃないかなと思うんです。
もちろん、考え方は人それぞれですけれど。
── 「決めてから来なさい」という雰囲気があると、身構えてしまう方もいると思います。
オーナー:そう思われるかもしれませんね。でも、そんなことはありません。
難しく考えていただかなくて大丈夫です。
まとめ
- 実際に選ばれるのは粉のほうが多く、分かれ目は「ミルを持っているかどうか」です。
- 現場チーフのおすすめは豆のまま。粉は劣化が早く、おいしく飲めるのは挽いてから3日くらいです。
- 飲む直前に挽けば、香りも味もそのまま楽しめます。
- 安いものでいいので、ミルとキャニスター(保存容器)をそろえるのがおすすめ。
- 淹れるのはコーヒーメーカーでも十分。お湯は90度くらいが目安です。
ミルがなければ、「粉にしてください」でもちろん大丈夫です。
その場合は、なるべく早めに飲みきってください。
そして、おいしさにもう一歩こだわりたくなったら、ぜひ豆のままで。
REPOS COFFEEでは、豆のままでも、お挽きしてでもお渡ししています。
飲むペースに合わせてご提案しますので、どうぞお気軽にお声がけください。

