記事: オーナーと現場チーフに聞く、コーヒーの「酸味」とは何なのか?

オーナーと現場チーフに聞く、コーヒーの「酸味」とは何なのか?
お話を聞いた人:
金山広美(REPOS COFFEE オーナー)
金山祐紹(REPOS COFFEE 現場チーフ)
「酸味のある豆です」とお店で言われて、分かったような、分からないような気持ちになったことはありませんか。
酸っぱいということなのか、それとも褒め言葉なのか。コーヒーの説明によく出てくる言葉なのに、その中身を教わる機会は意外とありません。
REPOS COFFEEのオーナー・金山広美と、コーヒーの勉強を重ねてきた現場チーフ・金山祐紹に聞きました。
「酸味が苦手」の多くは、勘違いかもしれません
── 「酸味がある」とよく言いますが、具体的にはどういう味なんでしょうか。
現場チーフ:コーヒーの酸味は、酸っぱいということではないんです。
フルーティーで、果実味がある。そういう意味で使っています。
── 酸っぱい、ではないんですね。
現場チーフ:酸っぱいのは、劣化した豆の嫌な酸味です。
コーヒー本来の酸味とは、まったく別のものなんですよ。
ここを勘違いされていて、「酸味が苦手」とおっしゃる方がとても多いです。
オーナー:たしかに、酸っぱいのは苦手、という方はいらっしゃいますね。
コーヒーは、もともと果実です
── そもそも、なぜフルーティーなんでしょう。
現場チーフ:コーヒーは、コーヒーチェリーという果実だからです。
もとが果実なので、フルーティーなんですよ。
── そう言われると、急に腑に落ちます。
現場チーフ:昔は品質も、生産地で働く方の環境もよくなくて、いいものが取れませんでした。
その環境が改善されてきて、いい豆が取れるようになったんです。
だから今は、浅煎りの酸味、カシスのような爽やかさを感じる豆を楽しめるようになりました。
酸味の反対は、苦味
── 酸味の反対にあたる言葉はあるんでしょうか。
現場チーフ:苦味です。コクは、その苦味の要素のひとつですね。
── 焙煎の深さで変わる、ということですか。
オーナー:浅煎りは、浅く焼いているんですね。
反対に深く焼くと、焦がすように焼き付けていきますので、味がグッと深くなる。
酸味が出やすいのは、やはり浅煎りのほうです。
現場チーフ:焼き方はもちろんですが、抽出でも変わります。
実は、生豆の時点で違います
── 同じ豆を、浅く焼いたり深く焼いたりしている、ということではないんですね。
オーナー:生豆から違うんです。浅煎り用の豆と、深煎り用の豆があります。
たとえばエチオピアは、どちらかといえば浅煎り。
エスプレッソのような濃いコーヒーには向いていません。
── 逆に、深煎りに向く豆は。
オーナー:ペルーですね。アイスコーヒーにも使いますが、しっかりガツンとした味に向いています。
インドネシアも、甘さも深みもあって。
先日飲んだトラジャは、かなり自分好みの味でした。
── どちらにも使える豆もありますか。
オーナー:グァテマラは、浅く焼いてもいけますし、中煎りくらいでもいける豆です。
ただ、浅煎りでさっと焼けば、酸味が勝つ焼き方にはなりますね。
同じ豆でも、焼く人によって変わります
── 豆の種類だけで決まるわけでもない、と。
オーナー:焙煎する人によって違いますね。時間の置き方ひとつでも変わりますから。
「ここで焼いているコーヒーが好き」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
その日の体調と気分で、選んでいい
── 結局、どちらが良いというのはあるんでしょうか。
オーナー:本当にその方の好みなので、一概に何が良くて何が悪いとは言えないです。
私自身、濃く飲みたい日もあれば、お湯を多めにする日もあります。自分の体調に合わせているので。
現場チーフ:その日その日を楽しんでいただけたらいいと思います。
体調や気分に合わせて味わってほしいです。
── 今は浅煎りが流行っている、とも聞きます。
オーナー:流行は流行であって、ご自分の好みとは別だと思うんです。
一度飲んでみて、試飲して決めていただくのが一番じゃないでしょうか。
まとめ
- コーヒーの酸味は「酸っぱい」ではなく、フルーティーな果実味のこと
- 酸っぱさは、劣化した豆の嫌な酸味。コーヒー本来の酸味とは別物です
- コーヒーはコーヒーチェリーという果実。だからフルーティー
- 生産地の環境が改善され、浅煎りのカシスのような爽やかさを楽しめるようになった
- 酸味の反対は苦味。コクは、その苦味の要素
- 味は焙煎だけでなく、抽出でも変わる
- 浅煎り向き・深煎り向きは、生豆の時点で分かれている
- 良し悪しではなく好み。その日の体調や気分で選んでいい
「酸味がある」は、酸っぱいという意味ではありませんでした。
果実としてのコーヒーを、その日の気分でどう味わうか。
そう思って眺めてみると、豆の名前が並んだ棚が、少し違って見えてくるかもしれません。
この記事で紹介した豆
商品名をクリックすると、オンラインストアの商品ページが開きます。
- エチオピア イルガチェフェ地区 モカG1 ナチュラル 200g(浅煎り。お花のような香りと軽い口当たり)
- ペルー アルトアマゾン ウォッシュ 200g(しっかりガツンと。アイスコーヒーにも)
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インドネシア マンデリン アチェガルーダ 200g(重厚なコクと苦味、ダークチョコレートのような甘さ)
※本文でふれたトラジャとは別の銘柄です。当店で扱っているインドネシアは、このマンデリンになります。 - グァテマラ SHB アデスケ共同組合 ウォシュ 200g(浅煎りでも中煎りでもいける一本)
気になった豆があれば、200gの1袋から試していただけます。
迷ったときは、店頭でお気軽にご相談ください。

